作成例と全建統一様式、どちらで出せばよいですか
国土交通省は、法令で記載しなければならない事項が網羅されていれば、作成例以外の様式も使えるとしています。
施工体制台帳や再下請負通知書に何を書くかは、建設業法施行規則で決まっています。一方で、どの用紙を使うかは決まっていません。国土交通省の作成例も、全国建設業協会の全建統一様式も、その記載事項を書き込むための「器」の一つです。
実際の現場では、提出先の元請が様式を決めていることがよくあります。まず元請に指定の様式があるかを確かめ、あればそれに合わせるのが確実です。指定がなければ、どちらを選んでも法令上の問題はありません。
また国土交通省は、発注者が法令以外の項目も含めて作るよう指示する場合があるとして、発注者とよく協議するよう案内しています。公共工事では、発注者の要領も確認しておきましょう。
根拠:国土交通省「施工体制台帳、施工体系図等」のページ、建設業法施行規則第14条の2・第14条の4・第14条の6
国土交通省の作成例とは
国土交通省が、施工体制台帳などの書き方の見本として公開している様式です。ページには「令和2年10月1日以降に契約する建設工事において使用する作成例」と書かれています。次のものが無料でダウンロードできます。
- 施工体制台帳(Excel)
- 再下請負通知書(Excel)
- 施工体系図(樹状図の形式と、表の形式の2種類)
- 作業員名簿(Excel。別ページで公開)
- 施工体制台帳等のチェックリスト(Word)
令和6年8月1日には、外国人建設就労者受入事業の終了に合わせて変更したと記載されています。台帳と再下請負通知書の作成例には、会社名と並べて「事業者ID」を書く欄があります。台帳の作成例には、事業所名と並べて「現場ID」の欄もあります。どちらも建設キャリアアップシステム(CCUS)のIDです。作業員名簿の作成例のページには、CCUSに登録していなければ記載は不要と書かれています。
表の形式の施工体系図には、法令の記載事項である「特定専門工事該当の有無」の列があります。また、会長(統括安全衛生責任者)や元方安全衛生管理者を書く欄も設けられています。
根拠:国土交通省「施工体制台帳、施工体系図等」のページ、同「作業員名簿(作成例)」のページ、各作成例のExcel
全建統一様式とは
一般社団法人全国建設業協会(全建)がまとめた様式です。全建は「全建統一様式 記載例及び解説」を頒布しており、最新は改訂6版(令和6年10月)です。頒布価格は税込1,430円です。
施工体制台帳関係の様式に加えて、労務安全関係の様式も収めているのが大きな特徴です。目次には、たとえば次の様式が並んでいます。
- 施工体制台帳関係:様式第1号−甲 再下請負通知書(変更届)、第1号−乙 下請負業者編成表、第2号 施工体制台帳作成建設工事の通知、第3号 施工体制台帳、第4号 工事作業所災害防止協議会兼施工体系図、第5号 作業員名簿
- 労務安全関係:第6号 工事安全衛生計画書、第7号 新規入場時等教育実施報告書、第8号 安全ミーティング報告書、第9号 移動式クレーン・車両系建設機械等使用届、第10号 持込機械届済証、第11号 有機溶剤・特定化学物質等持込使用届
全建の書籍案内によると、改訂6版の主な改正点は次のとおりです。
- 第3号と第1号−甲から、外国人建設就労者の従事の状況の欄を削除
- 第1号−甲−別紙を、一号特定技能外国人建設現場入場届出書に差し替え
- 第11号に、化学物質管理者と保護具着用管理責任者の欄を追加
- 各書式の押印欄を大幅に削除するなどの見直し
根拠:全国建設業協会 書籍案内「全建統一様式 記載例及び解説(改訂6版)」、全国建設業協会 労働部「全建統一様式の改訂について」
違いを表で比べる
| 国土交通省の作成例 | 全建統一様式 | |
|---|---|---|
| 作っている所 | 国土交通省 | 全国建設業協会 |
| 入手の方法 | 国土交通省のサイトから無料でダウンロード | 「記載例及び解説」を頒布(税込1,430円) |
| 最近の変更 | 令和6年8月1日 | 改訂6版(令和6年10月) |
| 収めている書類 | 施工体制台帳・再下請負通知書・施工体系図・作業員名簿 | 左の書類に加え、下請負業者編成表や労務安全関係の様式 |
| 施工体系図 | 樹状図の形式と表の形式 | 工事作業所災害防止協議会兼施工体系図(第4号) |
| 外国人の欄 | 一号特定技能外国人と外国人技能実習生の従事の有無 | 外国人建設就労者の欄を削除し、一号特定技能外国人の入場届出書に差し替え |
作成例は、建設業法が求める書類にしぼった見本です。全建統一様式は、現場の安全衛生管理で使う届出までを一式でそろえた様式集だといえます。
作業員名簿の欄はどう違うか
作業員名簿は、施工体制台帳の一部です。建設業法施行規則第14条の2は、建設工事に従事する者について、次の事項を台帳に書くよう定めています。
- 氏名、生年月日、年齢
- 職種
- 医療保険・年金・雇用保険の加入等の状況
- 中小企業退職金共済法の被共済者であるかどうか
- 安全衛生に関する教育を受けているときは、その内容
- 建設工事に係る知識・技術・技能に関する資格
このうち最後の資格は、本人が希望しない場合は書かなくてよいとされています。また、一号特定技能外国人と外国人技能実習生の従事の状況も、台帳の記載事項です。
国土交通省の作成例の作業員名簿は、この記載事項に沿った欄でできています。技能者ID、雇入・職長特別教育、技能講習、免許、健康保険・年金保険・雇用保険、建設業退職金共済制度・中小企業退職金共済制度、入場年月日、受入教育実施年月日などの欄があります。※印欄には、現場代理人や職長、1号特定技能外国人などを示す記号を記入します。
現住所、血液型、緊急連絡先の欄はありません。施行規則の記載事項にも含まれていません。これらを求める様式を使う現場もありますが、それは元請の安全管理の都合によるものです。住所の扱いは作業員名簿に住所は必要かで詳しく説明しています。
作成例の欄外には、記載した内容を安全衛生管理や労働災害発生時の緊急連絡・対応のために元請に提示することについて、本人が同意している旨の文言があります。
根拠:建設業法施行規則第14条の2第1項第2号チ・リ、第4号チ・リ、国土交通省「作業員名簿」作成例
どちらの様式でも気をつけること
- 記載事項が欠けていないか:独自に手を加えた様式では、法定の欄が消えていることがあります。国土交通省のチェックリストで確かめられます。
- 再下請負通知書にも作業員の事項がある:施行規則第14条の4により、再下請負通知書には再下請負人の作業員に関する事項も書きます。下請の作業員名簿も、元請が台帳をそろえるために必要な情報です。
- 施工体系図は現に施工している会社を書く:施行規則第14条の6は、現にその請け負った工事を施工している下請負人を表示するよう定めています。
- 電子データでもよい:施行規則第14条の2第3項により、記載事項を電子データで記録し、現場で必要に応じて表示できれば、台帳への記載に代えられます。
国土交通省は、施工体制台帳等はCCUSを使っても作成できると案内しています。
根拠:建設業法施行規則第14条の2第3項・第14条の4・第14条の6、国土交通省「施工体制台帳、施工体系図等」のページ
このサイトのツールで作るには
当サイトの無料ツールは、国土交通省の作成例の様式で印刷できます。登録は不要で、入力した内容はサーバーに送らず、お使いの端末の中だけで処理します。
全建統一様式の各様式の用途は様式一覧にまとめています。元請から様式の指定があるときは、そちらに合わせてください。
無料で作業員名簿を作る参照した一次資料
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