作業員名簿の「女」「未」の印とは
女性と18歳未満の作業員の就業制限

根拠となる法令や官公庁の資料を示して説明します。確認できていないことは書いていません。更新 2026年10月31日

※印欄の「女」「未」は何のための記号ですか

女性と18歳未満の作業員を示す記号です

国土交通省の作業員名簿の作成例では、※印欄に女性作業員は「女」、18歳未満の作業員は「未」と記入します。

作成例の注1には「※印欄には次の記号を入れる」とあり、記号の一覧が載っています。ただし、なぜ「女」「未」を記入するのかは、作成例には書かれていません。

一方で、労働基準法などには、女性と18歳未満の者だけに適用される就業制限があります。重い物を持つ作業や、坑内での作業などです。こうした法令上の制限があるため、元請が配置を確認できるようにするものと考えられます。

以下では、その法令の中身を条文に沿って説明します。

根拠:国土交通省「作業員名簿」作成例(※印欄の注1)

※印欄に入れる記号の一覧

作成例に載っている記号は次のとおりです。1人に複数あてはまる場合は、あてはまる記号を並べて書くのが自然です。

根拠:国土交通省「作業員名簿」作成例

18歳未満の作業員には、どんな制限がありますか

重量物、危険な業務、有害な業務、坑内労働が制限されます

労働基準法第62条と第63条、年少者労働基準規則で定められています。

労働基準法第62条第1項は、満18歳に満たない者を、運転中の機械の危険な部分の掃除や修繕、動力によるクレーンの運転、その他の危険な業務に就かせてはならないとしています。決められた重量以上の重量物を取り扱う業務も禁止です。同条第2項では、有害な原料を扱う業務や、高温・高圧の場所での業務なども禁止しています。

第63条は、満18歳に満たない者を坑内で労働させてはならないとしています。トンネル工事の現場では特に注意が必要です。

具体的な業務は、年少者労働基準規則第8条に列挙されています。建設現場に関係が深いものを挙げます。

このほか、第61条により、満18歳に満たない者は原則として午後10時から午前5時までの深夜に働かせることができません。第57条では、満18歳に満たない者について、年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けることが求められています。

第62条に違反した場合の罰則は、第119条で6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金と定められています。

根拠:労働基準法第57条・第61条・第62条・第63条・第119条、年少者労働基準規則第8条

18歳未満が扱える重量物の上限

年少者労働基準規則第7条は、次の重量以上の重量物を取り扱う業務を禁止しています。表の数字ちょうどの重さも禁止の範囲に入ります。

年少者労働基準規則第7条(単位:キログラム)
年齢性別断続作業継続作業
満16歳未満女128
男1510
満16歳以上
満18歳未満
女2515
男3020

セメント1袋や鉄筋の束など、現場には重い資材が多くあります。名簿に「未」があれば、その人の持ち運び作業を事前に確認しておくと安心です。

根拠:年少者労働基準規則第7条

女性の作業員には、どんな制限がありますか

重量物と一部の有害物の業務は、すべての女性に制限があります

妊娠中や産後1年以内の女性には、さらに多くの業務が制限されます。

労働基準法第64条の3第1項は、妊娠中の女性と産後1年を経過しない女性(妊産婦)を、重量物を取り扱う業務や有害ガスを発散する場所での業務などに就かせてはならないとしています。同条第2項により、その一部は妊産婦以外の女性にも準用されます。

女性労働基準規則第3条は、妊産婦以外の女性にも適用する業務を、第2条第1項の第1号と第18号の2つと定めています。

つまり、重量物の制限は妊娠しているかどうかに関係なく、満18歳以上を含むすべての女性に適用されます。

妊娠中の女性については、第2条第1項でクレーンの運転、玉掛け、足場の組立・解体、高さ5メートル以上で墜落のおそれのある場所での業務など、24の業務が禁止されています。産後1年を経過しない女性については、第2条第2項で範囲が定められており、一部の業務は本人が使用者に申し出た場合に限って禁止されます。

根拠:労働基準法第64条の3、女性労働基準規則第2条・第3条

女性が扱える重量物の上限

女性労働基準規則第2条第1項第1号は、次の重量以上の重量物を取り扱う業務を禁止しています。第3条により、この表はすべての女性に適用されます。

女性労働基準規則第2条第1項第1号(単位:キログラム)
年齢断続作業継続作業
満16歳未満128
満16歳以上満18歳未満2515
満18歳以上3020

満18歳未満の女性の数字は、年少者労働基準規則第7条の女性の欄と同じです。

根拠:女性労働基準規則第2条第1項第1号・第3条

女性の坑内労働はどう制限されていますか

労働基準法第64条の2により、妊娠中の女性と、坑内業務に従事しない旨を申し出た産後1年以内の女性は、坑内で行われるすべての業務が禁止です。

それ以外の満18歳以上の女性については、女性労働基準規則第1条に定める業務だけが禁止です。人力・動力・発破による掘削や掘採の業務と、ずりや資材の運搬、覆工のコンクリートの打設など、掘削に付随する業務です。計画の作成、工程管理、安全管理などの技術上の管理の業務や、技術上の指導監督の業務は除かれています。このため、女性が技術者としてトンネル工事の坑内で管理業務にあたることは可能です。

根拠:労働基準法第64条の2、女性労働基準規則第1条

そのほかの記号の意味

現場代理人は、請負契約に基づいて置かれる者です。置くかどうかや権限は契約の定めによります。

根拠:労働安全衛生法第14条・第16条・第19条の2・第60条・第60条の2、同法施行令第19条、建設業法第26条、建設業法施行規則第14条の2、国土交通省 作成例 注2

記号は誰が決めて記入しますか

作業員名簿は、作業員を雇用する会社が作り、元請に提出するのが一般的です。記号も、その作業員の実際の役割や属性を知っている雇用主が記入します。

作業主任者や職長、安全衛生責任者は、だれを充てるかを会社が決めるものです。名簿に記号を書いただけで選任したことになるわけではありません。選任や教育の記録は、別に残しておきましょう。

現場によっては、元請が独自のルールで記号の追加や省略を求めることがあります。その場合は、元請の指示を優先してください。

性別を書くことに問題はありませんか

性別も個人情報です。必要な範囲で集めましょう 作業員名簿は氏名、生年月日、保険の情報などをまとめた書類です。性別もその人を特定する情報の一つです。

作成例には、記載した内容を安全衛生管理や労働災害発生時の緊急連絡・対応のために元請に提示することについて、本人が同意している旨の文言があります。「女」の記号も、この目的の範囲で使うものと考えるのが自然です。

目的と関係のない場面で名簿を回覧したり、コピーを放置したりしないようにしましょう。どこまで書くかは作業員名簿の個人情報はどこまで書くかで詳しく説明しています。

根拠:国土交通省「作業員名簿」作成例(同意文言)

作成例の様式で名簿を作るには

当サイトの作業員名簿は、国土交通省の作成例の様式で印刷できる無料のツールです。記号の一覧も様式どおり印刷されます。作業員ごとに当てはまる記号を選ぶと、※印欄に入って印刷されます。「未」は生年月日から自動で付きます。登録は不要で、入力した内容はサーバーに送らず、お使いの端末の中だけで処理します。

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参照した一次資料

あわせてよくある質問
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  2. 作業員名簿は誰が作るのか
  3. 作業員名簿に押印は必要か
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この記事の書き方について 法令や官公庁の資料で確認できたことだけを書いています。確認できていないことは書きません。制度が変わったときは、こちらも直します。何をいつ直したかは更新履歴に残しています。

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