施工体系図の部分は法律上の義務です
根拠は建設業法第24条の8第4項です。施工体制台帳を作る元請(作成建設業者)が、各下請負人の施工の分担関係を表示した施工体系図を作成し、工事現場の見やすい場所に掲げなければなりません。
- 公共工事: 入札契約適正化法第15条により、下請契約を1件でも結べば金額を問わず必要です
- 民間工事: 特定建設業者が元請となり、下請代金の総額が税込5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)のとき必要です(2025年2月1日の改正後の基準。改正前は4,500万円・7,000万円)
作成や掲示を怠ると、建設業法第28条第1項にもとづく指示処分の対象になります。
どこに、いつまで掲示するか
- 民間工事: 工事現場の見やすい場所
- 公共工事: 工事関係者が見やすい場所と、公衆が見やすい場所の両方
掲示は目的物の引渡しまで続けます。表示するのはいま施工している下請負人だけで足り、施工中かどうかは請負契約上の工期で判断します。下請負人が入れ替わったら、速やかに書き直して掲示し直します。この更新漏れが起きやすい点です。
記載する内容
記載事項は建設業法施行規則第14条の6で決まっています。
- 元請の商号、工事名称・工期、発注者名
- 元請の監理技術者または主任技術者の氏名(監理技術者補佐、専門技術者を置く場合はその氏名と担当する工事)
- 各下請負人の商号、代表者氏名、一般建設業・特定建設業の別、許可番号
- 各下請負人の工事内容と工期、特定専門工事に当たるかどうか
- 各下請負人の主任技術者の氏名(専門技術者を置く場合はその氏名と担当する工事)
工事内容の欄は、何の工事か具体的に分かる工種名で書きます。
「災害防止協議会」の部分の位置づけ
現場に協議組織を設けて運営すること自体は法律上の義務です。元請(特定元方事業者)が設置し、下請(関係請負人)は参加しなければなりません(労働安全衛生法第30条第1項第1号、労働安全衛生規則第635条)。
ただし、その構成を第4号の形で書面にすることは法令で決まった様式ではありません。施工体系図は、見にくくならない範囲で安全管理など他の目的の図面と兼ねてよいとされており(国土交通省「施工体制台帳の作成等について」)、第4号はこの兼用の形をとっています。
厚生労働省「元方事業者による建設現場安全管理指針」(平成7年4月21日 基発第267号の2)では、協議会を毎月1回以上開くこと、規約を作ること、議事の記録を作って関係請負人に配ることが示されています。
保存期間
施工体系図またはその写しは、工事の完了後、営業所で保存する図書になります。保存期間は引渡しから10年間です(建設業法第40条の3、建設業法施行規則第26条第5項・第28条第2項)。電子データでの保存も認められています。施工体制台帳の5年とは期間が違うので注意してください。