届出の位置づけ
届出書そのものは法令で決まった様式ではなく、全建の実務上の標準様式です。ただし、新しく加わった2つの欄は、法令上の選任義務にもとづいています。
厚生労働省「元方事業者による建設現場安全管理指針」(平成7年4月21日 基発第267号の2)は、協議組織で話し合う課題の例として「有機溶剤等の容器の集積箇所の統一」などを挙げています。
改訂第6版で追加された2つの欄
化学物質管理者(労働安全衛生規則第12条の5)
- リスクアセスメントの対象になる化学物質を製造したり取り扱ったりする事業場ごとに選任します
- ラベル表示や安全データシート(SDS)の確認、リスクアセスメント、ばく露を減らす措置、労働災害が起きたときの対応、記録、教育などを管理します
- 選任すべきことになってから14日以内に選び、氏名を掲示するなどして労働者に知らせます
保護具着用管理責任者(労働安全衛生規則第12条の6)
- 化学物質管理者を選任した事業者が、リスクアセスメントの結果にもとづいて労働者に保護具を使わせるときに選任します
- 保護具の選び方、使い方、手入れを管理します
- こちらも14日以内に選び、氏名を掲示するなどして知らせます
どちらも労働基準監督署への届出は不要です(厚生労働省の化学物質規制FAQ)。保護具着用管理責任者は、化学物質管理者や作業主任者と兼ねることもできます(特別規則の第三管理区分の措置として選任する場合を除く)。
現場ごとではなく、会社の事業場ごとです
建設業では、化学物質管理者は個別の作業現場ごとではなく、工場・店社・営業所などの事業場ごとに選任するとされています(帯広労働基準監督署の建設業向け資料)。また、元請は扱わず下請だけが化学物質を扱う場合、選任の義務は下請にあります。両方が扱えば、両方が選任します(厚生労働省の意見交換会での回答)。第11号の欄には、持ち込む会社の選任者を書くことになります。
現場で必要な掲示
- 屋内作業場などで有機溶剤業務を行う場合は、注意事項の掲示と、有機溶剤の区分の色分け表示が必要です(第一種は赤、第二種は黄、第三種は青。有機溶剤中毒予防規則第24条・第25条)
- 特定化学物質を扱う作業場では、注意事項の掲示が必要です(特定化学物質障害予防規則第38条の3)
改訂第6版は令和6年10月の改定で、2026年10月1日に施行された改正(個人ばく露測定の測定者の要件など)より前のものです。最新の取り扱いは、元請と所轄の労働基準監督署に確認してください。
あわせて使えるツール
化学物質を扱う作業員の作業員名簿(第5号)は、このサイトでその場で作成できます。資格・免許の欄も記入できます。登録不要・無料。入力内容はサーバーに送らず、お使いの端末の中だけで処理します。
作業員名簿をつくる(無料・登録なし)
労働安全衛生規則第12条の5・第12条の6、有機溶剤中毒予防規則第24条・第25条、特定化学物質障害予防規則第38条の3、厚生労働省「化学物質による労働災害防止のための新たな規制について」と同FAQ、厚生労働省「元方事業者による建設現場安全管理指針」(平成7年4月21日 基発第267号の2)など、条文と官公庁の資料で確認できた内容にもとづいて作成しています(2026年10月時点)。欄の構成など様式の細部は版や元請の指定によって異なります。個別の判断は元請または所轄の労働基準監督署にご確認ください。